アラビカ種
アラビカ種は、珈琲三原種(アラビカ・ロブスタ・リベリカ)のひとつで、エチオピアのアビシニア高原が原産地と言われています。
生豆は、平べったい楕円形が特徴です。
最初に各地に広まったアラビア半島にちなんでついた名…「アラビカ」
アラビア半島からおもに東南アジア、中南米、東アフリカへ広がっていきました。
各地に広がるにつれ、突然変異・交配を繰り返し、多くの品種ができて、さらに、耐病性、生産性、環境適応性を見直すため品種改良され、多くの品種ができました。
今では70種を超える品種。
最近になり、高品質のコーヒーへの注目度で、豊かな風味の伝統品種が見直されてきてます。
栽培地は、中南米・アフリカ・アジアが3大エリア。北回帰線から南回帰線の間の熱帯地を好み、平均気温18~22℃、年間降水量1400~2000mmが適しています。
土壌は弱酸性が望ましく、表土の深さや耕しやすさ、水はけのよさや肥沃さが求められます。耐病性が低いのが課題で、さび病・ベリーボーラー・CBDなどの病害虫対策には色々な取り組みがなされています。
世界のコーヒー生産の7~8割がこのアラビカ種、残り2~3割がロブスタ種です(リベリカ種は非常に生産量が少ない)。
ロブスタ・リベリカと比べて風味、香りともにとっても優れているので、レギュラー珈琲に使用される場合が多いです。
アラビカ種は、
・ティピカ:アラビカ種の中で原種にもっとも近い。優れた香りと酸味。・・・詳しくは、こちら
・ブルボン:ティピカの突然変異で生まれた。花のような香りと濃厚なコク。・・・詳しくは、こちら
・ゲイシャ:エチオピア原産の野生種。コスタリカから中米に広がり、パナマ エスメラルダ農園のゲイシャは特に有名。独特な風味と香り。・・・詳しくは、こちら
・カトゥーラ:ブルボンの突然変異でブラジルで見つかる。豊かな酸味、強い渋み。・・・詳しくは、こちら
・スマトラ:アラビカ種を起源とした品種でインドネシアに入る。マンデリンが代表。・・・詳しくは、こちら
・ムンド ノーボ:ブルボンと在来種スマトラの自然交配でブラジルで見つかる。酸味と苦みのバランスがよく、味がティピカに近い。・・・詳しくは、こちら
・カトゥアイ:ムンド ノーボとカトゥーラの交配種。味は、ブルボンに近い。・・・詳しくは、こちら
・マラゴジッペ:ティピカの突然変異で、ブラジルで見つかる。非常に大粒。特徴的な風味。・・・詳しくは、こちら
・パーカス:ブルボンの突然変異でエルサルバドルで見つかる。種子は小さい。・・・詳しくは、こちら
・パカマラ:パーカスとマラゴジッペを交配した品種。種子が大きく、軽い酸味と甘味を持つ。・・・詳しくは、こちら
・ケント:インドの品種で、ティピカとほかの品種との雑種といわれている。・・・詳しくは、こちら
・モカ:複数の在来種が混ざっているため「モカ種」と区別。イエメンやエチオピアで栽培。・・・詳しくは、こちら
・ブルー・マウンテン:ジャマイカに入り栽培される。コーヒーの銘柄と意味が異なる。・・・詳しくは、こちら
・コナ:ハワイに入ってきた品種。高値で取引される。・・・詳しくは、こちら
・コムン:ブラジルに最初に入った品種。・・・詳しくは、こちら
・ティコ:中央アメリカに入った品種。・・・詳しくは、こちら
・サン・ラモン:ティピカの突然変異でコスタリカで見つかる。風味は良いが、生産性が低い。・・・詳しくは、こちら
・パーピュラセンス:ティピカの突然変種。ごく少量生産され、広く流通してない。・・・詳しくは、こちら
・アカイヤ:ムンド・ノーボの中から特に大きい種子の木だけを交配させた品種。ブラジル。・・・詳しくは、こちら
・ヴィラ・サルチ:カトゥーラに似ている品種で、コスタリカで見つかる。・・・詳しくは、こちら
・アルーシャ:ティピカの突然変異。タンザニアの「アルーシャ地区」で栽培が始める。・・・詳しくは、こちら
がおもな品種です。
また、さび病対策として耐病性の高いロブスタ種とアラビカ種のハイブリッド種があります。
・ハイブリド・デ・ティモール:自然にロブスタ種とアラビカ種が交配したもの。・・・詳しくは、こちら
・アラブスタ:アラビカ種と人工的に四倍体化したロブスタ種の交配された品種。・・・詳しくは、こちら
・カチモール:カトゥーラとチモール(アラビカ種とロブスタ種の交配種)の交配で生まれた。・・・詳しくは、こちら
・ヴァリエダ コロンビア:カトゥーラとカチモールを交配させた品種。コロンビアで急速に普及。・・・詳しくは、こちら
・サルチモール:ヴィラ・サルチとハイブリット・デ・ティモールの交配から産まれた変種。・・・詳しくは、こちら
・トゥピ:ハイブリット・デ・ティモールとサルチモールを交配させた品種。・・・詳しくは、こちら
・ウバダン:サルチモールとカトゥアイを交配させた品種。・・・詳しくは、こちら
・イカトゥ:コニロン(カネフォーラ種)とカトゥーラを交配させた品種。・・・詳しくは、こちら
・ピーベリー:品種でなく、その形のこと。異常交配などが原因で種子が一つしかできない、球状の豆。・・・詳しくは、こちら
アラビカ種だけでも、楽しめちゃいそうな量の品種ですね。