収穫されたコーヒーの果実からコーヒー豆(種子の部分)を取り出す作業を精製といいます。
一般的に、1kgのコーヒー豆を得るのに、5kgものコーヒー果実が必要になるとか。
コーヒーの精製方法は、主にどの段階で乾燥させるかの違いにより、いくつかの種類に分かれます。コーヒー生産国は各国の気候条件や設備などにより精製方法を使い分けています。
精製方法は大きく、「乾燥式(ナチュラル)」「水洗式(ウォッシュド)」「半水洗式(パルプドナチュラル)」「スマトラ式」の4つに分けられます。
①乾燥式(ナチュラル):収穫した実のまま乾燥させる方法
②水洗式(ウォッシュド):収穫した実から果肉や粘液質(ミューシレージ)を除去した後に乾燥させる方法
③半水洗式(パルプドナチュラル):収穫した実から果肉を除去、粘液質(ミューシレージ)は残したまま乾燥させる方法
④スマトラ式:収穫した実から果肉や粘液質(ミューシレージ)を除去した後予備乾燥させ、脱殻。その後、本乾燥させる方法。
①~③は完全に乾燥させた後に脱殻(パーチメントという殻からコーヒー生豆を取り出す)しますが、一方、④は完全に乾燥させる前に脱殻し、その後で再度乾燥させます。
精製の工程は作業が簡単なため、コーヒーの産地で行われます。
精製された豆は、生豆と呼ばれます。
カビなどを防ぐ為に、水分量を10〜12%になるまで乾燥させ、保管し、消費国に輸出されます。
①乾燥式(ナチュラル)を採用している主な国は、ブラジル、エチオピア、イエメン。また、ロブスタ種のほとんどが、この方法で精製されているようです。
②水洗式(ウォッシュド)を採用している主な国は、コロンビア、メキシコ、グアテマラ、ジャマイカなどのブラジルを除いた中南米諸国と、ケニア、タンザニアなどが代表的で、アラビカ種が広くこの精製方法で処理されています。
③半水洗式(パルプドナチュラル)を採用している主な国は、ブラジル、コスタリカなど。ブラジルは水資源が豊富ではないため、乾燥式や半水洗式がメインとなっています。コスタリカでは、粘液質(ミューシレージ)の除去割合を調整する「ハニープロセス」という方法で注目を集めています。
④スマトラ式は主にインドネシアで採用されている精製方法です。スコールが多いインドネシアならではの方法で、乾燥の工程を2度にわけているので、一度の乾燥時間が短くて済みます。
風味の傾向ですが、乾燥式の方が香りが強く個性的な風味になりやすいです。一方、水洗式の方は比較的すっきりさっぱりとした風味になりやすいのが特徴です。
Coffeeコーヒーの話
2019.11.25 更新 コーヒーを知る楽しむ知るコーヒー豆の基礎知識精製 5231 Views