半水洗式(パルプドナチュラル、ハニー製法、セミウォッシュド)とは、コーヒー豆の精製方法の一種。
水洗式と同様、収穫したコーヒーの実から果肉を除去しますが、粘液質(ミューシレージ)は残したまま乾燥させます。乾燥させる際に、ミューシレージが残っているため豆どうしがくっつきやすいので注意が必要です。
◆半水洗式の精製処理の流れ
<果肉除去>→<乾燥>→<脱殻>
半水洗式の派生で、ハニー製法(ハニープロセス)と呼ばれる精製方法があります。果肉除去後に、ミューシレージリムーバーで粘液質(ミューシレージ)を少しだけ除去する方法です。ミューシレージの残し方で以下のように細かく分かれています。
・ブラックハニー :ミューシレージを50%以上残し、長期乾燥させる
・レッドハニー :ミューシレージを50%以上残し、短期乾燥させる
・イエローハニー :ミューシレージを25%以上50%未満残す
・ホワイトハニー :ミューシレージをほとんど(75%以上)除去する
なお、何故「ハニー」製法と呼ばれるかというと、粘液質(ミューシレージ)を現地の言葉(スペイン語)でMielと言いますが、ハチミツのことも同じMielという綴りのため、それを英語に直してHoney(ハニー)と呼んでいます。
【メリット】
・水洗式と同様、果肉除去の際に未成熟豆などを選別できるため、品質が高くなる
・水洗式のフリーウォッシュドと比べると使う水の量も少なくエコであり、ブラジルなどの水資源が豊富でない土地でも行うことができる
・特にハニー製法では、他の精製方法との差別化ができる(ナチュラル特有の複雑な風味とウォッシュド特有の高い精製度というメリットを併せ持っている。かつミューシレージの残し方のバリエーションで色々な風味を表現できる)
【デメリット】
・果肉除去機(パルパー)や、ハニー製法の場合はミューシレージリムーバーなどの機械が必要になってくるため、コストがかかる
<採用している主な生産国>
ブラジル、コスタリカ(ハニー製法)など