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Coffeeコーヒーの話

2019.06.07 更新 コーヒーを知る楽しむ器具ドリッパー 2264 Views

おいしいコーヒーへの旅路

現在、最も普及しているコーヒーの抽出方法は、ペーパードリップであると言ってよいでしょう。

そのペーパードリップは、おいしいコーヒーを求めて1908年のドイツで生まれました。その後、様々な改良がなされ、現在ではペーパードリップと一言で言っても、どんな道具が思い浮かぶかは、人それぞれと言っていいほど、様々な道具が開発されてきました。

その道具=ドリッパーの歴史とともに、それぞれの特徴をまとめたいと思います。

ちなみに、どの道具が一番おいしいコーヒーが抽出できるか、またいつも同じ味が出せる安定感があるかなど、それぞれの道具によって、コンセプトが違い、何を最優先にするかによって、一長一短がありますので、自分に一番合う淹れ方を探してみるのもコーヒーの楽しみの1つでしょう。

  • melittaメリタ1つ穴ドリッパー

    おいしいコーヒーを夫へ飲ませたい。そんな思いが生んだペーパードリップ。その開祖、メリタおばさんの思いを受け継いだ息子が1963年に完成させたのが、1つ穴ドリッパーのメリタ式です。その特徴は、いつも同じ味が出せる安定感。そして、いわゆる時短です。始めに杯数分のお湯を全部注ぐので、その後は他ごとをしていても、安定して美味しいコーヒーが入れられます。安定感がある反面、より高度な抽出を求める自由度は低いですね。

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  • kallitaカリタ3つ穴ドリッパー

    ペーパードリップというと、この3つ穴ドリッパーを思い浮かべる人が一番多いのではないでしょうか。日本で一番普及しているドリッパーです。1959年に開発されました。当時は、メリタのドリッパーも3つ穴で、これを参考にしたというのが通説です。ちなみに「カリタ」は「刈田」と書くと「刈タ」→「メリタ」から来ているという説も。本家のメリタは、日本でカリタが3つ穴を作っていることを知ってか知らずか、独自に改良を重ね、現在の1つ穴に落ち着きました。その結果、現在では1つ穴がメリタで、3つ穴がカリタというのが定着しました。特徴は、メリタよりも抽出速度が速く、すっきりした味になります。淹れ方によっては、ゆっくり蒸らして、後はさっと入れるという方法も可能で、メリタより自由度が高く、その分難易度も上がります。ただし、以降で紹介する円錐型ドリッパーよりは、メリタに近い味・難易度で、価格も手ごろなためご家庭で美味しいコーヒーを入れる時には利用しやすいドリッパーです。

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  • コーノ式ドリッパー

    珈琲サイフォン株式会社が1973年に出した日本初の円錐型1つ穴ドリッパーです。ネルドリップのような、美味しいコーヒーを目指して開発されました。台形のドリッパーとの違いは、多少淹れる技術が必要なこと。上手に淹れれば美味しくなるし、適当に淹れれば、それなりの味になります。後述する同じ円錐形のハリオV60との一番大きな違いは、リブが途中までしかない点です。そのため、ハリオV60の方が、自由度が高くかつ難易度も高いと思います。あともう一つ大きな特徴があります。それは、ポップなカラーバリエーションです。限定生産も多く、その点もコレクターには魅力です。

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  • HARIOハリオV60

    ハリオ社のV60ドリッパーは円錐形1つ穴のドリッパーで、2005年に発売されました。同じ円錐形のドリッパーのコーノ式と比べると、かなり最近出てきたドリッパーですが、価格が安く、海外のサードウェーブ系のお店に注目されたこともあり今やカリタ3つ穴と並ぶメジャーな存在となっています。V60の特徴は上部まであるスパイラル状のリブ(でっぱり)で、これがあることによりペーパーとドリッパーの間に最上部まで隙間が確保され、抽出時のガスが抜けていくため、すっきりとした味わいになります。また湯が溜まりにくく、最も自由度が高くかつ難易度も高いドリッパーです。ただし、スペシャルティコーヒーのような、コーヒー豆自体に雑味が少ない場合や、蒸らしをあまりとらずスッキリとしたコーヒーの淹れ方をしたい場合は、あまり難易度を気にしなくても良いかと思います。また、このドリッパーは、2007年にグッドデザイン賞を受賞したように、デザイン性も評価されています。

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今回は、代表的なドリッパーを中心にご紹介いたしましたが、このほかにもケメックスやドーナツドリッパー、松屋式、バネット、ウェーブドリッパー、クレバーコーヒードリッパーなど、様々なペーパードリッパーがあります。エアロプレスもペーパーで濾すことを考えるとペーパードリップの1つと言えるでしょう。

それぞれに特徴があり、目指すコンセプトの違いから、メリット・デメリットがありますので、自分の目指すものが何かによって使い分けを楽しみましょう。

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