チョコレートの原料となるカカオ豆は、大きく分けて3品種に分類されています。それぞれの品種で味に特徴があり、さらに産地や発酵方法などでも味が異なります。
◆クリオロ種
ベネズエラやメキシコなど、ごくわずかな地域で栽培されている、とても希少な品種です。病気に弱く、栽培が困難で、生産量はカカオ全体の0.5%ほど。幻のカカオとも呼ばれています。味は苦味が少なくマイルドな味わいで、独特な香りが特徴です。
◆フォラステロ種
ブラジルや西アフリカなど多くの地域で栽培されている品種です。カカオ生産量全体の80~90%を占めています。渋味と苦味が強く、刺激的な香りが特徴です。
◆トリニタリオ種
中米、スリランカ、パプアニューギニアなど栽培されている「クリオロ種」と「フォラステロ種」の自然交配でできた品種です。生産量はカカオ全体の10~15%ほど。成長がはやく病気への抵抗力も強いため、とても栽培がしやすく、それぞれの品種の中間的な性質を持っていて、味、香りは、様々です。
フォラステロ種は、チョコレートのベースとして使われるので「ベースビーンズ」と呼ばれ、クリオロ種やトリニタリオ種は、主に風味や香り付けに使われるため「フレーバービーンズ」と呼ばれています。
カカオの代表的な3品種をご紹介しましたが、じつのところ、カカオ豆は病気の耐性、生産量を上げるため、複雑に交配されていて、それぞれの樹によって味が違うこともあります。なので、産地・品種・農家が一緒でも同じ味とは限りません。厳密な分類は、今もまだDNA研究が続けられているんです。
ビーントゥバーチョコレートを専門に扱うお店は、作りたいチョコレートに合わせ、カカオ豆を選定したり、ブレンドして、味の特徴を出しています。そのため、実際に農家へ行き、味を確かめて直に仕入れをおこなうところもあります。お店ごとの味、食感を出すため、カカオ豆の品種選びには余念がないのです。
Chocolateチョコレートの話
2018.11.09 更新 チョコレートを知る楽しむ知るスライダー(TOPページ表示用) 1508 Views